ビットコイン初心者が学ぶべき仮想通貨の仕組みが解る基本概要と投資方法

「仮想通貨」の中でも「ビットコイン」は代表格的存在として認知度が高く、もしかしたら「仮想コインはビットコインだけ」と勘違いしている人もいるのかもしれません。

しかし、ビットコイン以外にも多くの仮想通貨の種類があり、今後更に仮想通貨が投資対象として注目されている事は間違いないと言えます。

この状況に乗り遅れない為にも、特に価格上昇が著しいビットコインを中心に、仮想通貨の基本概要と投資方法を解説していきたいと思います。

ビットコインとは

ビットコインとは

ビットコインはインターネット上に存在する電子的な通貨で、「仮想通貨」や「デジタル通貨」などと呼称されています。

通常のお金のように紙幣や貨幣などの物的な形はありませんが、円やドルなどの通貨と同じように交換価値が認められており、多くの国や企業などで対応できる環境整備に取り組んでいます。

仮想通貨は実際の国際通貨と同じように、取引所で通貨の送金や交換ができ為替取引が可能です。

勿論、ビットコインが使用可能な場所であれば買い物もできますし、ネット通販やオンラインゲームなども対応できるところが増えてきています。

オンライン決済できる点で、「電子マネー」と「仮想通貨」を混同している人もいるようですが、明らかに性質が異なるもので、大きな違いは発行元の有無と交換性(換金性)の有無が挙げられます。

特徴

ビットコインの大きな特徴は以下の2つです。

  • 発行や管理をしている特定の国家や中央銀行が存在しない
  • 供給量の上限が決まっている

発行や管理をしている特定の国家や中央銀行が存在しない

先ず、ビットコインは通常の国際通貨とは異なり、発行や管理をしている特定の国家や中央銀行が存在しません。

中央機関が存在しない為、分散通貨(decentralized currency)とも呼ばれています。

特定の国家や銀行に依存しない事から、世界的な経済危機や金融危機などの有事に、リスクヘッジとなる投資先としても注目を集めています。

供給量の上限が決まっている

もう一つの大きな特徴は、ビットコインの総量が元々も決まっている事です。

ビットコインは発行できる上限が約2,100万ビットコイン(正確には最大20,999,999.9769BTC)までとシステムで決められています。

その為、国際通貨のように貨幣を大量に発行してインフレを引き起こすようなリスクがないと言えます。

既に総量が決まっていることから、ビットコインの流通が活発になることで他の通貨と比較した時の価値向上に繋がる為、このような点でも投資家から注目を集めています。

仕組み

前項で「発行や管理をしている特定の国家や中央銀行が存在しない」事に疑問を感じた方も多いと思います。

「発行元・管理元が存在しないのに、どうやってコントロールされてるの?」このような疑問は当然だと思います。

ビットコインが通貨としての価値を高めた大きな理由は、稼働しているシステムが高い信用度を誇るからです。

国家や中央銀行が通貨としての価値を保証してくれない為、それに代わる信頼性が必要となるわけですが、ビットコインを稼働している画期的なシステムには以下のような機能があります。

  • 取引履歴や通貨所持の記録の全てが必ず記憶されて消滅する事がない
  • 取引履歴の改ざんが不可能
  • 不正が発生しない仕組みで通貨が発行される

この3つの機能を可能にする為に、ビットコインが採用している仕組みが、更に以下の3つです。

  • ブロックチェーン
  • プルーフオブワークシステム
  • マイニング

ブロックチェーン

ブロックチェーンは、簡単に言うと「記録を残すシステム」になります。

元々はビットコインシステムを成立させる為に考え出されたテクノロジーですが、現在では応用でビットコインやその他の仮想通貨以外にも利用できるのではないかと考えられ開発が進められています。

デジタル化が進むにつれてデータ保存は「サーバー」へ残すことができるようになり、膨大なデータを管理する事が出来るようになりました。

しかし、サーバーはデータを残す大きな箱であり、更に多様化が進みデータ量が増すと、いくつも大きな箱を必要とすることになります。

ブロックチェーンという技術では記録を残す際に「サーバー」という大きな箱を必要としません。

インターネットを利用して同じデータ(記録)を複数の端末(パソコンなど)で保有して管理することができ、ある場所でデータが更新されるとインターネットを通じてその更新情報が他の人にも伝えられる仕組みになっています。

この仕組みを採用することで、記録は確実に保存され更に更新されていく為、消滅のリスクがなくなる事と同時に、サーバーを利用しないで済む分のコスト削減もできます。

プルーフオブワークシステム

ビットコインは発行元・管理元が存在しない為、稼働しているシステムで一定のルールに沿って運用されています。

「総量が約2,100万ビットコインが上限である事」や「ブロックチェーンは最も長いものを信頼できるチェーンと評価する」など、これらのビットコインを運営する為のルールが「プルーフオブワークシステム」になります。

プルーフオブワークシステムでは、取引を記録する際の莫大な計算処理が科せられ、ブロックチェーンと合わせてビットコインの改ざんを防ぐ為に開発されたシステムです。

マイニング

マイニング(mining)を日本語に訳すと「採掘」と言う意味になります。

マイニングの語源は、「鉱山から金を掘り出す」ことから来ています。

ビットコインの総量は約2,100万ビットコインと予め決められているわけですが、この総量の内、既に発行済みで取引などが行われている数がおよそ1,600万ビットコインです。(2017年3月時点)

つまり、残り500万ビットコインは、まだ発行されていない事になりますので市場には出回っておらず、この未発行のビットコインを手に入れる事が「鉱山で採掘量に限りがある金を掘り当てる行為」に似ていることから、ビットコインを報酬としてもらう、或は発行する行為が「マイニング」と呼ばれていて、基本的に誰でも参加可能です。。

このようにマイニングは、「新規ビットコインの発行」と「取引の処理」を指すことになるわけですが、新規ビットコインの発行は高性能コンピューターの計算によって行われ「計算の答えをいち早く見つけたマイニング参加者(マイナー)に新規ビットコインが与えられる」というルールが定められており、このマイナーに与えられたビットコインが「新規ビットコイン」となります。

因みに、発行量が上限に達する時期が気になるところですが、2033年頃までには99%が発行済みになると言われています。

ビットコイン以外の主な仮想通貨

ビットコイン以外の主な仮想通貨

仮想通貨のチャートを配信しているCoin Capを確認すると、1128種類にも及ぶ仮想通貨(2018年1月22日現在)がランキングに名を連ねています。

この数は約1年間で300種類もの新たな仮想通貨が増えたことになり、まだまだCoin Capに掲載されていない仮想通貨がある事を考えれば、増加傾向はこれからも続くものと考えられます。

その中でもビットコインの時価総額は他を引きつけない圧倒的な高さを誇り、特に人気が集中していることが理解できます。

当記事作成時における、仮想通貨のTop10は以下になります。

  1. ビットコイン(Bitcoin/BTC)
  2. イーサリアム(Ethereum/ETH)
  3. ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash/BCH)
  4. リップル(Ripple/XRP)
  5. ライトコイン(Litecoin/LTC)
  6. IOTA(IOT/MIOTA)
  7. ダッシュ(Dash/DASH)
  8. ネム(NEM/XEM)
  9. モネロ(Monero/XMR)
  10. ビットコインゴールド(Bitcoin Gold/BTG)

このランキングにあるTop5について、簡単に解説したいと思います。

ビットコイン(Bitcoin/BTC)

ビットコイン(Bitcoin/BTC)

2008年に中本哲史(ナカモト サトシ)と言う謎の人物によって発表された論文を基に、世界中のプログラマーが実現に向けて開発された世界初の仮想通貨です。

ビットコインが初めて取引されたのは2010年5月22日で、プログラマーが10,000BTCをパパジョンズという有名なピザ屋のピザと交換したと言われています。(この取引は1BTC=0.225円と計算され、これを初値とすると2017年12月現在では880万倍/200万円を超える価格になています。)

ブロックチェーンを軸に、マイニングにより新規発行される仕組みが特徴です。

イーサリアム(Ethereum/ETH)

イーサリアム(Ethereum/ETH)

ブロックチェーンを使って新たな分野に応用していこうと言う目的で創設された、プロジェクト「イーサリアム」から生まれた仮想通貨です。

「イーサリアム」は仮想通貨名ではなくプロジェクト名になり、「ETH」が仮想通貨名になります。

ブロックチェーンを使った契約のスマートコントラクトが最大の特徴になります。

ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash/BCH)

ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash/BCH)

ビットコインの取引量増加に伴い、2017年8月1日に誕生した新たな仮想通貨です。

このビットコインの分裂には、世界最大のマイナーと言われるビットメイン社のCEOのジハン・ウー氏のハードフォーク(互換性のない分岐)宣言が大きく影響しています。

今後もジハン・ウー氏は、仮想通貨界に強大な影響力与える人物の一人と言われています。

リップル(Ripple/XRP)

リップル(Ripple/XRP)

米国フィンテックベンチャーのリップル社によって、中央集権的に発行されている仮想通貨です。

正式には「リップル」は社名で、「XRP」が仮想通貨名になります。

ビットコインよりも決済スピードが早く、「ブリッジ通貨」は通貨間の橋渡しとなる最大の特徴と言えます。

日本のメガバンクを含めた世界中の主要金融機関がリップルとの提携を進めており、今後サービスのリリースが飛躍的に進むものと見られています。

ライトコイン(Litecoin/LTC)

ライトコイン(Litecoin/LTC)

ビットコインに次ぐ世界2番目の仮想通貨です。

システム的にはビットコインに似ていますが、ビットコインよりも決済スピードが早いことが特徴と1つと言えます。

ビットコインへの投資は本当に儲かるのか?

ビットコインへの投資は本当に儲かるのか?

このような新しい投資スタイルに対して、多くの人は興味はあっても警戒心の方が強いと思います。

「ビットコインで本当に儲かるの?」「ビットコインの価値が暴落する事はないの?」「そもそも手元に現物がないのに投資して大丈夫?」不安や疑問など、なかなかビットコインへの投資へ足を踏み込まない状況にある方は少なくないでしょう。

また、既に初値以来880万倍以上に価値が上昇している中で「今からビットコインを始めても本当に間に合うの?」と、参入時期を心配する声も多いと思います。

結論から言えば、投資である以上儲かる事もあれば損をすることもあり、確実にお金を増やせるとは言えません。

しかし、この数年でビットコインの普及が急激に進み、通貨として認める国家も多くなっています。

この流れを見る限りでは、まだまだ普及は進む傾向にあるでしょうし、致命的なシステムの欠陥などがない限りは、価値の上下は続くでしょうが無価値になるような事は考えにくいと思います。

以前ほどの急激な上昇がなくなり変動幅は小さくなるかもしれませんが、まだまだビットコインの普及には大きな期待が持てると言っていいと思います。

ビットコインのメリット・デメリット

ビットコインのメリット・デメリット

ビットコインには、今までの投資方法とは違う独特のメリットも多くありますが、やはりメリットだけではなく、その投資スタイルが故のデメリットもいくつかあります。

以下は、ビットコインのメリットとデメリットになります。

ビットコインのメリット

  • 送金が速く手数料が安い
  • 総量の上限により継続的な希少性の上昇が期待できる
  • 他通貨との交換性が高い
  • 金融危機や財政危機などへ依存せず世界経済異常時のリスクヘッジになる

ビットコインのデメリット

  • システムへのハッキングの可能性は皆無に等しいが完全なゼロではない
  • ビットコイン取引所へのハッキングや取引所による不正のリスク
  • 法律の適用が追いついていない部分がある
  • 発行元や管理元が存在しない為に統制が図れない

ビットコインの購入・管理・使用について

ビットコインの購入・管理・使用について

ビットコインを入手する方法は3つあります。

マイニング(採掘)する
ビットコインのシステムに参画して、システムから提示される演算処理を行う「マイニング」という方法で、報酬としてビットコインを入手することができます。
分けてもらう
マイニングによって採掘されたビットコインを人から貰い受けることも可能で、最近では、仕事の報酬や対価としてビットコインで支払うスタイルも増えています。
購入する
採掘されて世に出回っているビットコインを取引所を介して購入する方法で、現在ビットコインを入手する方法としては取引所を利用するスタイルが最も一般的です。

但し、ビットコインの入手方法としては取引所を介しての購入が最も一般的なスタイルである為、「購入」「管理」「使用」の3つを対象に解説していきたいと思います。

ビットコインの購入

ビットコインの購入は取引所を介して行います。

日本国内にもビットコインの取引所は多くあり、「安全・利便性・機能性・サポート体制」などを考慮した取引所の選択も、快適にビットコインへ投資をしていく為に大切なポイントとなります。

勿論、海外の取引所を利用することもできるわけですが、初心者の方の場合には極力国内取引所の中からの選択をおすすめします。

理由は、仮想通貨に関する様々な情報の入手も容易にできますし、取引に関する操作も理解しやすいからです。

ビットコインの管理と使用

少額のビットコインであれば、取引所へ預けっぱなしにしておいてもあまり問題視する必要はないと思いますが、金額が大きくなるようであれば、やはりより高い安全性を確保する事が望ましいでしょう。

勿論、取引所もセキュリティー強化や補償サービスの充実などで、安全性を高めてきている傾向にはありますが、ビットコインを保管しておくツールである「ウォレット」の使用がおすすめと言えます。

ウォレットは日本語で「財布」という意味で、文字通りビットコインを入れておく財布です。

通常、取引所で購入したビットコインは取引所のウォレットに保管される事になるわけですが、この場合ウォレットの管理は取引所が行う事になり、取引所が破綻したりハッキングの被害を受けた時には、保有するビットコインが紛失する危険性もあります。

その為、ビットコインの保管方法としてはウォレット機能だけを提供しているサービスを利用して、そのウォレットにビットコインを貯めておく方が安全性が高いと言えるのです。

ウォレットには種類があり、大きく2つに分けることができます。

  • 保管に適したウォレット
  • 使用(決済)に適したウォレット

保管に適したウォレット

長期保有が目的であったり、ビットコインの額が大きく「持ち運びたくない」と言う方には、保管に適したウォレットがおすすめです。

ペーパーウォレット

ペーパーウォレット

アドレスと秘密鍵を印刷することにより、紙ベースで保管するペーパーウォレットのスタイルです。

右のQRコードは「秘密鍵」と言ってビットコインをビットコインアドレスから取り出す時に利用します。

ビットコインはインターネットを介して取引されるので、紙に印刷されていると一度ネットネットを繋いだ他のウォレットを利用して取り出す必要がある為、支払には向いていませんが「秘密鍵」さえ見られなければハッキングを受ける事はないと言う特性から「保管に適したウォレット」と言えます。

ハードウェアウォレット

ハードウェアウォレットの特徴は、ネットに繋がっていない専用機器へビットコインアドレスと秘密鍵を保管することから、基本的にオフラインで管理できる為に高いセキュリティーを確保できる事が挙げられます。

決済用として利用することもできますが、オフライン管理が基本となりますので「保管に適したウォレット」と言えます。

以上のようなスタイルのウォレットが該当します。

使用(決済)に適したウォレット

決済や支払いをしやすいウォレットの選択は、持ち運びなどの利便性が重視されます。

インターネット上でウォレットサービスを提供しているサイトを利用する方法になり、簡単に利用できて便利ですが、基本的にセキュリティ面はサイト管理者に一任される為、信用できるサイトの選択が重要になります。

中でも、モバイルアプリのビットコインウォレットは利便性が高く「使用(決済)に適したウォレット」と言えると思います。

サービスを提供先が多く、現在も増え続けていますので、利便性と安全性を十分に吟味して選択しましょう。

まとめ

ここまで、初心者の方でもビットコインに関する基本的な知識が学べるように、できるだけ詳細且つ丁寧に解説させて頂きました。

勿論、投資は自己責任ですが、知識の有無で取引の仕方は大きく変わる事もありますので、是非、参考にして頂きたいと思います。

今回は、ビットコインを中心とした仮想通貨の概要と投資方法を解説しましたが、「高騰を続けるビットコインに手が出ない」このような方は、手ごろに購入できる他の仮想通貨を研究してみるのも良いと思います。

現在のビットコインのように、飛躍的な価値高騰を体験することができるかもしれません。